EC-Master MainDevice(旧称:EtherCAT Master)スタック

EC-Master MainDeviceスタックは、さまざまな組込み向けリアルタイムオペレーティングシステム上で動作するよう設計・最適化されています。現在、Linux(リアルタイム対応・非対応)、Microsoft Windows® 11、Wind River VxWorks、BlackBerry QNX、IntervalZero RTX64、TenAsys INtime®、INTEGRITY、Xenomai、FreeRTOS、eCos、TI-RTOS、T-Kernelをはじめとする多数のOSに対応しています。また、EC-Master EtherCATプロトコルスタックは、その他の組込みOSへの移植にも対応可能です。

Software Architecture

ethercat master software architecture

  • アプリケーションプログラミングインターフェース(API): EtherCAT MainDeviceコアは、C/C++、C#、PythonおよびRustから利用できます。
  • EC-Masterコア: EC-Masterコアは、EtherCAT MainDeviceの中核機能を提供します。プロセスデータ通信や各種メールボックスプロトコル(CoE、EoE、FoE、AoE、SoE)を含むすべてのプロトコル処理を実行するとともに、高度な診断機能を提供します。
  • リアルタイムEthernetドライバ: MainDeviceとSubDevice間のデータ通信を担います。ゼロコピー技術やポーリング方式をコアレイヤーと組み合わせることで、高いリアルタイム性能を実現するとともに、CPU負荷を最小限に抑えます。
  • MainDeviceおよびネットワーク設定: 内蔵XMLパーサーにより、EtherCAT仕様で定義されるEtherCAT Network Information(ENI)ファイルに対応しています。
  • オペレーティングシステムレイヤー: OS依存部分を集約したレイヤーです。すべてのOS関連処理をこのレイヤーで実行します。高いパフォーマンスを実現するため、多くの機能はシンプルなC言語マクロとして実装可能です。

ETG.1500 MainDeviceクラスに準拠した機能

EtherCAT Technology Group(ETG)は、ETG.1500仕様において、明確に定義された機能セットを備える2種類のEtherCAT MainDeviceクラスを規定しています。Class Aは標準的なEtherCAT MainDevice、Class Bは最小構成のEtherCAT MainDeviceを定義しています。また、オプション機能はFeature Pack(FP)として提供されます。
(*1): ETG.1500においてClass Aの必須要件ではありません。
(*2): ETG.1500においてClass Bの必須要件ではありません。

基本機能

機能名 概要 Class A Class B
サービスコマンド すべてのEtherCATコマンドに対応 X X
データグラム内IRQフィールド データグラムヘッダ内のSubDevice IRQ情報を利用 X X
デバイスエミュレーション対応SubDevice アプリケーションコントローラ有無を問わずSubDeviceに対応 X X
EtherCATステートマシン EtherCATステートマシン(ESM)の特殊動作に対応 X X
エラーハンドリング Working CounterなどのネットワークおよびSubDeviceエラーを監視 X X
VLAN VLANタグ機能に対応 X   -- (*2)  
EtherCATフレーム EtherCATフレームに対応 X X
UDPフレーム UDPフレームに対応 -- (*1) -- (*2)
マルチインスタンス 1つの制御システムで複数のEtherCATネットワークを制御 X X

プロセスデータ通信

機能名 概要 Class A Class B
Cyclic PDO 周期的なプロセスデータ通信 X X
マルチタスク 複数の周期タスクおよび異なるPDO更新周期に対応 X X
フレーム再送信 通信耐性向上のため周期フレームを複数回送信 -- (*1) -- (*2)

ネットワーク構成

機能名 概要 Class A Class B
オンラインスキャン MainDevice内でネットワーク構成を検出 X X
ENI読込み ENIファイルからネットワーク構成を取得 X X
ネットワーク構成比較 起動時に設定内容と実ネットワーク構成 X X
明示的デバイス識別 Hot Connectおよび誤配線防止のためのデバイス識別 X X
ステーションエイリアスアドレッシング SubDeviceのステーションエイリアスアドレスに対応 X X
EEPROMアクセス ESCレジスタ経由でEEPROMへアクセス X X

メールボックス機能

機能名 概要 Class A Class B
メールボックス対応 メールボックス通信機能を提供 X X
メールボックス耐障害レイヤー 耐障害性を考慮した下位レイヤーに対応 X X
複数メールボックスチャネル 複数のメールボックスチャネルに対応 X X
メールボックスポーリング SubDeviceのメールボックス状態をポーリング監視 X X

CAN application layer over EtherCAT (CoE)

機能名 概要 Class A Class B
SDOアップロード/ダウンロード 通常転送および高速転送に対応 X X
セグメント転送 分割転送に対応 X X
Complete Access オブジェクト全体(全サブインデックス)を一括転送 X X
SDO情報サービス オブジェクトディクショナリ参照サービスを提供 X X
Emergency Message Emergencyメッセージの受信に対応 X X

Ethernet over EtherCAT (EoE)

機能名 概要 Class A Class B
EoEプロトコル EtherCAT経由でEthernetフレームをトンネリング転送 X X
仮想スイッチ 仮想スイッチ機能を提供 X X
EoEエンドポイント (OS向け) EoEレイヤ上でOSとのインターフェースを提供 FP (*1) FP (*2)

File access over EtherCAT (FoE)

機能名 概要 Class A Class B
FoEプロトコル FoEプロトコルに対応 X X
ファームウェア アップロード/ダウンロード アプリケーションからパスワードおよびファイル名を指定可能 X X
Boot State ファームウェア更新用Boot Stateに対応 X X

Servodrive-Profile over EtherCAT (SoE)

機能名 概要 Class A Class B
SoEサービス SoEサービスに対応 X X

ADS over EtherCAT (AoE)

機能名 概要 Class A Class B
AoEプロトコル AoEプロトコルに対応 X X

Vendor over EtherCAT (VoE)

機能名 概要 Class A Class B
VoEプロトコル ベンダー独自通信に対応 X X

Synchronization with Distributed Clock (DC)

機能名 概要 Class A Class B
DC対応 Distributed Clock機能に対応 X -- (*2)
伝搬遅延補償 伝搬遅延を継続的に演算・補償 X -- (*2)
同期ウィンドウ監視 SubDevice間の同期誤差を継続的に監視 X -- (*2)

SubDevice間通信

機能名 概要 Class A Class B
MainDevice経由通信 MainDeviceを介したSubDevice間通信。FSoEセーフティ通信をサポートするために必要な機能 X X

MainDevice情報

機能名 概要 Class A Class B
MainDeviceオブジェクトディクショナリ MainDevice Object Dictionary(ETG.5001 MDP Sub Profile 1100)に対応 X X

オプション機能

機能名 概要 Class A Class B
ケーブル冗長化 SubDevice間のケーブル断線時でも通信を継続 FP FP
Hot Connect 通信中にSubDeviceを追加・削除可能。追加されたSubDeviceは自動的にOPERATIONAL状態へ遷移 FP FP
TCPサーバーおよびRemote API リモートシステムからEC-Masterへアクセス可能 FP FP
EoEエンドポイント EtherCATネットワークとのEthernetフレーム送受信インターフェース FP FP

特長

  • 高い処理性能と低CPU負荷により、高速な更新周期を実現
  • 多数のオペレーティングシステム向けに提供
  • x86(32bit/64bit)、ARM(32bit/64bit)、RISC-Vアーキテクチャに対応
  • Intel、Texas Instruments、STMicroelectronics、Broadcom、NVIDIA、Renesas、NXP、AMD Xilinxなど、多数のプロセッサに対応
  • acontisの豊富な知見とサポートにより、お客様独自の制御システム構築を支援。ご要望に応じてシステムインテグレーションにも対応
  • 高い信頼性と堅牢性を備えた実績ある実装
  • EC-Masterスタックは、KUKAのロボットコントローラをはじめ、安川電機、Lenze、オムロンなどのコントローラで採用されています
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